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映画「トリック劇場版ラストステージ」を見てきた。
今日は1000円の日。邦画らしい、落ち着いた終わり方だった。しめやかとでもいうのか。
結構、面白い。小学3年生の息子でも大笑いして見入っていた。
けれど妙に説教臭いのが、鼻にかかる。
海外ロケだが、スケールは相変わらず小さい。しかしこの小ささが売りか。
壮大な内容は、トリックには似合わない。
しかし邦画は変わらず混迷しているなぁ。この島国でガラパゴス化していると、単純に言いたいが、方向性が見えない。
この映画が撮りたくて作りましたって作品が、ひとつも見当たらないのは変化がない。
「あくまで仕事だから臭」がぷんぷん漂う。
技術はあるが、情熱は感じない。
日本映画界は、映画のプロ集団であって、失敗だけはしたくないという作品を多く作る。成功は夢見てないような印象だ。
求めるのは鉄板。大成功ではない。「安定」「定番」それだけだ。
だがエンターテイナーの世界では、その数式が通用しない事が多々あるのだ。
結構、邦画の世界は台所事情がかなり追いつめられているかも知れない。
保守に回ったエンターテイナーやクリエイターに、儲かる仕事は回って来ないものだ。
しかし日本は助け合いの国。邦画で採算が取れなくても、どこからとなく、援助が入る。日本アニメが人気コンテンツで好調でも、現場が少しも潤わないのは、この所為かもと言えば言い過ぎか。
だがこの助け合い精神が、邦画からハングリー精神を奪い、勝ち抜く気概と牙を奪ったと言える。日本芸能界はただ安定を求めるのみだ。
それが悪いとは言わないが。
積極的にそれを支援したい一般の人も少ないだろう。